2011年9月28日水曜日

ホーンブロワー 海の勇者 の全体感想

第1部(DVD1~4)、第2部(DVD5,6)までなら、面白かったなぁレベルでとどまっていたと思う。
シリーズ物だと、大体、後半にいくに従ってファンサービス的な演出が多くなって、肝心のストーリーがクソなことが多いのだけれど、そんなことはなく、第3部でホーンブロワーくんの艦長としての成長記として締めてくれました。
第3部がスゴイのは、軍隊(戦争)モノとして真正面に取り組んで、製作者の理想を主張しているところ。第3部があって、僕の中で真に心に残る作品になったと思います。
とかく軍隊モノとしてありがちなストーリーだと、腐った上層部に反抗するとか、戦争の不条理さに嫌気がさすとか、軍務規定に反してでも慈悲を与えるとか、個人判断による逸脱行動があるのだけれど、そういうのはみられない。
ペリュー提督いうところの「己の直感を信じて云々」に基づき、陛下(海軍)の下僕の艦長として責務を忠実に全うしようと自信を持って振る舞い続ける姿は印象に残りました。(ナポレオン弟夫婦を諭すシーンとか)

ペリュー提督とホーンブロワーの、上司と部下の関係も見ていて微笑ましかったです。ペリュー提督の、わが子を思うようなやりとり。真に海軍心得を実践しているかどうかのカマかけ。艦長として立派になったホーンブロワーに対して、次の人間的成長を促す言葉を掛けるシーン。(これがあるから続編に期待してしまう。)
上下関係で言うと、ホーンブロワー→ボロックの関係もよかったです。上陸作戦等に随行して着実に成果をあげたボロックに、一時的に艦長代行を任せるシーン。ボロックくん、やったじゃん!って。

こういうの、日本だと絶対つくれないよなぁ。右翼的内容だとか、戦争を肯定しているとか、中国韓国からの批判とか。
このドラマだと、フランス(ナポレオン)=滅ぼすべき悪、アイルランド=鎮圧対象だけど自軍にアイルランド人を多数抱えている、といった感じで、共和制や隣国をはっきりと拒絶していますw



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